サンタクロース

サンタクロース

-サンタの衣装はどうして赤と白なのか?-

2003年12月23日(火)

帽子と同じく上着も赤で、白の縁どりがしてある。ズボンも赤で、裾は重たげな黒いブーツにたくしこまれた。

(デズモンド・モリス 「クリスマスウォッチング」より)

大人にだってプレゼントを

赤いドレスに白い羽をつけたマリアサンタです。今年一年頑張った大人たちに、自動車や家などでっかい贈り物を配り歩いています。ちょっと疲れてビルの谷間で一休み。

好評の巨大娘シリーズです。Joy to the World! 今もどこかで戦いが続いていますが、どうかこの日だけでもこの世界に平和と喜びあれ!

サンタの衣装

ところでサンタクロースと言えば、白い毛皮のついた赤い上着に、赤いズボン。ナイトキャップのような赤い帽子に、黒の長靴。誰でもこの衣装を思い浮かべますよね。

最近では、コスプレ用の赤いスカートコスチュームや、赤白のブラとショウツにガーターベルトなんていう、クリスマス用セクシー下着なんていうものも、ドンキホーテ(深夜営業の大型小売店)の店頭に並んでいたりしますね。赤と白であれば何でもOKといった感じです。

ま、風邪で寝込んでる私には関係のない話ですけどね(うう。ちょっと後ろ向き)。でも、どうしてサンタクロースの洋服が赤と白なのか知っていますか?

伝説や神話とは全く関係なし

実はあの赤と白の衣装は、コカコーラ社が決めたんです。はい、あの世界的に有名な清涼飲料水メーカーですね。昔からの言い伝えなどとは全く関係ないのです。

コカコーラ社が広告のキャンペーンをするまでは、サンタクロースの衣装というのは特に決まっていませんでした。しかし、コカコーラの一大キャンペーン以降一変してしまったのです。

それ以前のサンタクロース

昔のサンタの衣装は色んな色の服を着ていました。緑も、水色も、茶色も、赤も。北欧のイメージから、全身茶色の毛皮で覆われた、あったかそうな衣装のサンタもいました。もともとサンタクロースのモデルとなった聖ニコラウスは司教ですから、司教服姿で描かれることも多かったのです。

コカコーラ社の販売促進キャンペーン

1931年のこと。コカコーラ社は冬のキャンペーンのためにサンタクロースをキャラクタとして使うことにしました。冷たいコーラは、冬にはどうしても売り上げが落ちてしまうので、大々的に販売促進の広告を打たねばならなかったのです。

雇われたのはハッドン・サンドブロムというアメリカ人の画家。彼はコカコーラ社のシンボルカラー「赤と白」を衣装に使うことにしました。サンドブロムはご近所の、引退したセールスマンのおじいさんをモデルにしたそうです。

まるまると太った陽気なおじさんにたっぷりとした白いヒゲをつけて、赤い上着とズボンを着せました。黒いベルトをお腹に巻いて、どっしりしたブーツをはかせてできあがり。

現在私たちが想像するサンタクロースは、たった一人の画家が創り上げたイメージだったのです。

思い思いのサンタクロース

このエピソードを知ったとき、私はサンタのロマンチックな伝説と、アメリカナイズされた商業広告とが結びついていることに驚きました。そしておそらく世界中の子供たちに「サンタさんの絵を描いて」と言ったら、赤と白のクレヨンを選ぶだろうと思い、ちょっと残念な気がしました。

サンタクロースというのは一種の妖精です。妖精を実際に見たという人はほとんどいないわけなので、コカコーラ社のキャンペーン以前は、子供たちは思い思いのサンタクロースを想像したことでしょう。

人魚のイメージが決まってしまったら

たとえばこのギャラリーでも何度か取り上げた「人魚」。昔の文献の絵を見ていると、実に様々な人魚像があって面白いのです。首から下が直接魚になっているもの、尾びれが二股に別れているもの、ヘビのように長い胴のもの、猿のような変な顔をしているもの……。

私も、胴が短く短足の中国風人魚つるりとしたイルカのような人魚ウロコとひれが魚っぽい人魚など、いくつか描いてみました。いろいろと想像できるので楽しいのですが、例えば「人魚は赤い魚の下半身で、金髪、青い目」なんて決まってしまったらつまらないなあと思うのです。

子供達の一番の関心ごとは?

まあ、でも子供たちが実際にワクワクしながら想像するのは、サンタさんというよりも、サンタさんがくれるプレゼントの方でしょうね。そして、そのサンタさんの顔は、サンドブロムの描いたおじさんではなくて、優しいお父さんの顔かもしれません。

メルマガ版を読む

関連記事

Coke and Santa (English) (翻訳はこちら

コカコーラのサンタイラストがたくさんありますよ。

参考文献

クリスマスウォッチングクリスマスウォッチング

デズモンド・モリス
扶桑社
1994.11

クリスマスに関する53の謎について解説しています。著者  がイギリス人なので、イギリスのクリスマスの様子が分かります。イギリスの女王様はなぜクリスマスのスピーチをするようになったかは知りませんでした。

幻想画廊」 (c) Maria Garcia, 2002-2008