![]() |
フォトショップを使った、幻想的なCGコラージュを、コラムとともに毎週お届けします。「公募展」に寄せられた読者のみなさまの作品をご紹介するコーナもあります。鑑賞派のあなたも、創作派のあなたもぜひどうぞ! |
|
|
■■13号「イザナギ・イザナミ」■■ |
2002年07月02日(火) |
◇◆ご挨拶◆◇
テキスト版メルマガをご購読の方へお知らせです。テキスト版をご購読の方には06月25日(火)にお知らせメールを配信いたしましたが、テキスト版メルマガは第10号(06月25日発行)をもって廃刊いたしました。
コラムはぜひともギャラリーの絵と共に読んでただきたいという理由から、HTMLメルマガ一つに統一した方がいいと思ったからです。創刊して間もなく、突然の廃刊で本当にごめんなさい。テキスト版は既に廃刊手続きを終了しておりますので今後メルマガが配信されることはありません。
ご購読いただいた読者様、本当にありがとうございました。皆様から送られたメールは、全てじっくりと読み、ギャラリーの絵を描く参考にさせていただいています。仕事をしながらの毎週の更新・発行は結構大変ですが、感想メールに励まされて頑張っています。本当にいつもありがとうございます。
HTML版は引き続き発行いたします。今後も当メルマガをどうぞよろしくお願いいたします。
◇◆今週のギャラリー◆◇

大きな画像はこちら
ああ、なんてすてきな殿方よ。
(イザナミ 『口語訳 古事記』より)
私の友人C嬢は、明るく聡明で男の子に人気がある美人です。いつも私に「そんな地味な服装をしていてはダメ」「メガネはダサいからコンタクトにしなよ」と忠告してくれる世話焼きさんでもあります。先週のこと、そのC嬢が私に言いました。
C嬢:「今週末ワールドカップで六本木盛り上がるはず。人いっぱい来るし、カッコいい男の子ゲットするチャンスだよ」
私 :「ゲ、ゲットって……」
C嬢:「逆ナンだよー。ナンパ。一緒に踊りに行こうよ」
私 :「ナンパなんかできないよ。コンピュータでやることあるし(←幻想画廊の更新)」
C嬢:「古っ! 今はいいオトコはこっちから声かけないとダメなのよ。コンピュータオタクはモテないよ」
ほっとけ!
C嬢に「古い!」と一喝されてしまいましたが、さかのぼること神話の時代、実は日本で最初のナンパは女性から声をかけたのであります。今回は『古事記』から日本の神話がテーマです。
高天原の神々は男神イザナギと女神イザナミというカップルに「天の沼矛」をさずけ、国を創るように命じます。まず始めに「天の御柱」という柱と「八尋殿」という宮殿を建てました。一息つくと、イザナギが言いました。
「天の御柱の周りをぐるりとまわって、『みとのまぐはい』をしようではないか」
この『みとのまぐはい』はセックスのことです。イザナギとイザナミは柱の周りをまわった後、こう叫びました。
「あなにやしえをとこを! (あら、なんていいオトコ!)」
「あなにやしえをとめを! (おお、なんといいオンナ!)」
この後二人は性交して、二人の子、ヒルコとアワシマが産まれるのですが、ヒルコは骨のない子供で捨てられ、アワシマも人の形になりませんでした。イザナミから声をかけたので、最初の国産みは失敗だったのです。
私はこの物語を学校の授業で聞きました。最初「どうせ男尊女卑のお話でしょ」とうんざりしていたのですが、先生は全然別のことをおっしゃいました。
先生いわく、「この『みとのまぐはい』の前に交わされる会話に注目しなければならない」と。以下はその会話を現代風に訳したものです。
「イザナミ、君の体はどんなになってる?」
「私の体はほとんどでき上がっているけど、一カ所だけ足りない『成り成りて成り合わざるところ』があるわ」
「ボクの体は、ほとんどでき上がっているけど、一カ所だけ余分な『成り成りて成り余れるところ』がある。君の足りない部分にボクの余分な部分を差し入れて国を産もうと思うけど、どうかな?」
「OKよ。」
なんともあけすけで、大胆な会話ですね。この会話を見ると、イザナギがイザナミにお伺いをたて、最終的な判断はイザナミが出しているようです。
先生によると、もともと古代の日本は女性を中心とした女系社会だったので、一族の最終的な判断も女性がしていたらしいのです。このシーンは、大陸から「男尊女卑」という新しい価値観が入ってきて、ダイナミックな社会改革が行われたことを象徴的に表しているのではないかということでした。
この部分に関しては学者が様々な説を出していますが、私は先生の解釈がとても新鮮に感じました。古典を読んで当時の人達の生活を想像するのも読書の楽しみの一つです。
さてさて時代下って2002年。C嬢はデートに大忙しの日々。学生さんを見ても、元気があるのは女子生徒で男子生徒さんの影は薄くなるばかり。女性でバリバリと仕事をしている人や、家庭でも旦那さんの居場所がないくらいに仕切っている奥様もたくさんいらっしゃいます。今はイザナミ風の女性が多くなってきているのかしら。
関連記事
参考文献
三浦 佑之訳・注釈
文芸春秋
2002.6
まるで囲炉裏の前で、おじいさんに昔話を聞いているような気分になれます。『……じゃったそうな』という語り口で、古代の神々と人間のお話が語られます。作者は、ヒルコ誕生についての解釈は近親相姦説をとっています。資料としても非常にすぐれた一冊。
◇◆今週のギャラリーの作業工程◆◇
あっけらかんとした明るいイメージにしたいと思い、ピエール&ジル風のポップな画像に仕上げてみました。最近こういうスタイルのポスターよく見ますね。肌の部分の複製を作り、「スクリーン」モードで重ねて、すべすべとした肌の質感にしました。虹は、グラデーションツールで作ったものを「ソフトライト」で重ねてあります。花は一つ一つ切り抜いて配置した後、色調を赤っぽい色に変更しました。
◇◆公募展今週の一枚◆◇ テーマ「建物」
このコーナでは、ホームページ「幻想画廊」の「公募展」(画像投稿掲示板)に投稿された作品の中から1作品をご紹介しています。

○使用した画像加工ソフトと画像加工歴を教えてください
アドビ フォトショップ5.5 (2年)
○この作品について一言
ありきたりの素材をドラマチックに表現できないかと思い、フォトショップで仕上げた作品です。合成は一時間くらいで完成しましたが、撮影時のライティングに時間をとられました。
○あなたにとって画像加工ソフトとは何ですか?
仕事上やむにやまれず購入したPC、画像加工ソフトですが、今はホームページにギャラリーを開設するほどにはまってしまいました。デジタルの世界は、アナログ時代の合成の苦労が嘘のような無限の可能性を持っていますね。
○ホームページをお持ちでしたら、PRをどうぞ。
HP作成ソフトを使った自作のホームページです。こまめな更新を心掛けていますが、つい・・・。BBSも設置しましたので皆様のご意見、ご感想などお聞かせいただければ幸いです。
「Macな写真展」http://www2.ocn.ne.jp/~ad-mo/
○マリアから一言
とげとげの貝を天空の城にみたてたアイデアも素晴らしいですが、素材を引き立たせるライティング、下の方に広がる雲の合成も見事です。赤と青という対照的な色を使うことによって、神秘的な感じが上手く出ていると思いました。合成を1時間で完成という早業にもびっくり!
◇◆編集後記◆◇
日本の神話って奇想天外ですごく面白いですね。他のエピソードを読んでも思うのが、古代の日本人の性に関する考えが非常に明るくておおらかだなということです。アマテラスが岩屋にこもってしまった時にストリップショウするアマノウズメのお話など、ちっともイヤらしさがないんですよ。他の神様もアマノウズメの秘所を見てどっと大笑いしたりして。
古代の人にとって性は隠すべきもの、淫靡なものというよりは、何か新しいものを創り出す、神聖で力強いイメージだったのでしょうね。他にも英雄ヤマトタケルの大冒険のお話も書きたかったのですが、これはいつか機会がありましたら。
ところでブラジル勝ちましたね! Parabens!Era bom.ドイツの選手のプレーも素晴らしかったですし、決勝戦としてとてもいい試合だったと思います。
後日談ですが、C嬢が踊りに行った某所にブラジル人選手たちがおしのびで来てたそうです。
………………。一緒に行けばよかったー!!!!
「幻想画廊」 (c) Maria Garcia, 2002-2008