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フォトショップを使った、幻想的なCGコラージュを、コラムとともに毎週お届けします。「公募展」に寄せられた読者のみなさまの作品をご紹介するコーナもあります。鑑賞派のあなたも、創作派のあなたもぜひどうぞ! |
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■■52号「人魚」■■ |
2003年05月13日(火) |
◇◆ご挨拶◆◇
先日公開されたばかりの『あずみ』を見に行きました。「幻想画廊」のギャラリーでも『あずみ』をとりあげたことがありますが、上戸彩ちゃん、かわいい&かっこいいですねー! 映画を見ながらニマーってしちゃうくらいかわいい。マンガが原作だと、どうしても実写は見劣りするものが多いのですが、映画版は成功していると思いました。
『金八先生』で性同一性障害の女生徒という難しい役をこなした彩ちゃんですから演技力もありますし、なにしろアクションがいい。バッサバッサと敵を切っていくのが痛快です。話題の200人切りのシーンでは、気がつくと指の跡がつくほど、手を握りしめてました。『チャンバラ映画』というものを久しぶりに見た気がしましたよ。
美女丸役のオダギリジョーをはじめ、わんさか美少年・美青年が出てきますので、その点でもオススメです。
◇◆今週のギャラリー◆◇

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海女、人魚なり、半身以上は女人に類して半身以下は魚類なり、人魚、骨は功能下血を留るに妙薬なり。蛮語にベイシムトルトといふ。紅毛人持たる事あり
(『長崎見聞録』より)
「人魚は漁師がジュゴンを見誤ったもの」と初めて知ったとき、がっかりしませんでしたか? どこをどう見間違ったら、あのへちゃむくれの顔が人間の女に見えるのでしょうか? 長い航海でよっぽど女性に飢えていて幻を見たとしか思えませんが、今のところジュゴンを人魚とする説が最も一般的です。
この説を広めたのは、生物学・民俗学者 として有名な南方熊楠だと言われています。博覧強記の天才として知られていた熊楠ですから、この説は広く受け入れられました。しかしそれ以前にも人魚の目撃例はたくさんあったものの、ジュゴンは沖縄以外の日本近海で捕れたことはほとんどありません。
では他に人魚だと思われていた生物はなんでしょうか? 民俗学の研究者はイルカ、アザラシ、アシカ、オットセイ、サメ、サンショウウオなどを見間違えたのではないかと考えています。
動物園、水族館、テレビなどでこれらの動物を見たことのある私たちからすると違和感を覚じます。しかし実際に江戸時代の見世物に出た人魚は、イルカやアザラシが多かったそうです。
アザラシのタマちゃんをニュースで見てると、泳ぐ様やひなたぼっこしている様がどことなく人間っぽいなあと思うこともあるので、アザラシを見たことのない江戸の人は人魚だと信じてしまったかもしれませんね。
人魚は、たくさんいる妖怪の中でも特殊な存在です。それは人魚が「食べられる妖怪」だからです。人間を食べる妖怪は数あれど、人間に食べられてしまう妖怪というのはきわめてまれなのです。人魚の肉を食べて、800歳も生きたという、「八百比丘尼(やおびくに)」の伝説はみなさんも聞いたことがあるでしょう。
「人魚は食べられる」という発想が出たのは、やはり実際に(人魚らしきものを)食べた人がいたからでしょう。そういう点から考えると、「人魚=アザラシ、オットセイ、サンショウウオ……説」にも頷けます。漢方では、オットセイに精力剤としての効能があるとされていますし、昔はサンショウウオの黒焼きを薬として食べる人もいました。見たこともない珍しい動物の肉を食べるというのは、それだけでもありがたい感じがしたのでしょう。
ところで、日本各地のお寺には、「人魚のミイラ」なるものが残っています。西洋の人魚姫のイメージとはほど遠い不気味な顔で、ひからびた(ミイラなんだから当たり前か)気味の悪いしろものです。こんな感じ。
これは19世紀に流行った「ニセの」人魚です。たいてい上半身はサルで、下半身はコイや、オオウナギなどを剥製にしてくっつけたものでした。
1825年ごろ、オランダの学者がこのような人魚を本物だと思いこみ、それを学会で発表して大騒動になりました。後で偽物と発覚して、彼は大恥をかいてしまったとか。人魚のミイラは西洋人向けの高価なおみやげとして、中国や日本でたくさん作られたのです。
コラムでこんなことを書いていてなんですが、科学が進んで、様々なものが発見され、解明されていくというのは素晴らしいと思う一方、寂しいものもあります。
「人魚の正体」、「人魚のミイラ」などの不思議について解説するのは、冒頭に書いたように、なあんだがっかりと思うだけなのかもしれません。でも私は心の片隅で、「それでもどこか遠い国の海の底には、人魚が実在するのではないか」と信じています。そのくらいの夢を持っていたってバチはあたりません。
本物そっくりの人魚の下半身をレンタル。コスプレにいかが?
参考文献
笹間 良彦
五月書房
1999.1
Weekly World News(アメリカの東スポ)を資料に使ってしまうなど、ちょっと困った本ではあるけど、世界に伝わる神話や物語から、人魚と人々との関わりが分かります。浦島伝説と人魚との関係は面白かったですよ。
◇◆今週のギャラリーの作業工程◆◇
人魚のしっぽは、タイなどの魚の写真を数枚継ぎ足して合成しました。背びれ、胸びれ、尾びれの部分は、蝶の羽の画像を使いました。色調補正やレイヤーマスクで加工してあります。
全体的に湯気が漂う感じにしたかったのですが、このような湯気が立ちこめる場面では、レンズが曇るので実際に撮影はできません。そこで、フィルタの雲模様を使って、白と黒で煙を描き、描画モードを「スクリーン」に変えると、あっという間に湯気ができます。それをレイヤーマスクで所々消して、調整します。
◇◆公募展今週の一枚◆◇ テーマ「春」
このコーナでは、ホームページ「幻想画廊」の「公募展」(画像投稿掲示板)に投稿された作品の中から1作品をご紹介しています。

○使用した画像加工ソフトと画像加工歴を教えてください
フォトショップ5.0.加工暦は約2年です。
○この作品について一言
撮った当時手塚治虫の「火の鳥」で、火の鳥が炎の中から復活して飛び立つシーンを連想して、喜んでました。ワセリンフィルターで上手くいった、数少ない中の1枚です。
○あなたにとって画像加工ソフトとは何ですか?
写真の幅を広げられるツールかな、と簡単に考えていましたが、このサイトをみて、今圧倒されています。マリアさんをはじめ、皆さん本当に凄い!そして、フォトショップを作った人に驚嘆しています。
○マリアから一言
大空を羽ばたく火の鳥。真っ赤な炎に包まれて飛ぶダイナミックな様子が表現されていますね。ワセリンを使うという写真技法は、なるほどと思いました。美しく、力強い作品ですね。
◇◆編集後記◆◇
人魚といえば私は小学生の頃、合唱部に入っていました。合唱部では毎年子供向けに書かれたオペラを上演することが恒例になっていました。私が参加した年は小川未明の『赤いろうそくと人魚』でした。
小学生にしては大人っぽくセクシーなNちゃんが人魚役で、鯉のぼりを利用して作った人魚の衣装がよく似合っていました。私は嵐に巻き込まれる漁師の役で、まあ、いわゆるその他大勢ですね。今でも、ほとんどの曲を覚えていて歌えるんですよ。子供の頃一生懸命やった合唱曲って結構記憶に残るんですね。
でも私は、歌は好きなのですが、カラオケがあまり好きじゃなくて、誘われてもなんだかんだ言って逃げてます。もう言い訳の種が尽きてきて困ってます。うーん。
「幻想画廊」 (c) Maria Garcia, 2002-2008