54号「ポルターガイスト」

恋するフォトショップ〜幻想の画廊から〜

フォトショップを使った、幻想的なCGコラージュを、コラムとともに毎週お届けします。「公募展」に寄せられた読者のみなさまの作品をご紹介するコーナもあります。鑑賞派のあなたも、創作派のあなたもぜひどうぞ!

 

■■54号「ポルターガイスト」■■

2003年05月27日(火)

◇◆ご挨拶◆◇

コンピュータの調子が悪くて、発行が遅れたことをお詫びします。ごめんなさい。うー、あせったー。先週の内容が内容だっただけに、謎の白装束集団関係でトラブルに巻き込まれているのではと思われた方もいらっしゃったみたいですが、そんなことは全然ないので大丈夫です。細々とやっているメルマガですから、そんなご大層な陰謀に巻き込まれることはないですよー。

それとメンテナンスのために、来週のメルマガをお休みすることをお知らせしますね。どうぞご了承下さい。本当にご心配をおかけしました。

◇◆今週のギャラリー◆◇

「ポルターガイスト」

ポルターガイスト

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ポルターガイストのほとんどすべてが情緒的に不安定な思春期の青年子女、あるいは思春期に入ったばかりの子供に集中している。

(コリン・ウィルソン)

岐阜県のポルターガイストパニック

3年前のことになりますが、岐阜県のある町営住宅で、ポルターガイスト騒ぎがあったことを覚えていらっしゃいますか? 夜中にピシッとかドンドンという怪音がしたり、食器棚が勝手に開いて皿が飛んだり、電源の入っていないドライヤが動いたりなどの不思議な現象に住民が悩まされました。中には、甲冑姿の武士や見知らぬ女性の幽霊を見たという住民もいたそうです。たくさんの霊能者、祈とう師、観光客が押しよせて、大パニックになりました。

水道管の音? 怪奇現象?

建築の専門家や大学教授は、建物全体の水道管内の圧力の関係で音が響くのではと推理しています。しかし物が飛んだり、ドライヤーが勝手に動いたり、幽霊を見たなどの説明はついていないようです。

住民のみなさんは科学者でも霊能者でも、怪奇現象が収まれば何だっていいと思ったことでしょうね。最近ニュースを聞きませんが、もう解決したのでしょうか? ご存じの方いらっしゃいますか?

ポルターガイスト現象とは

ポルターガイスト「poltergeist」とは、ノックという意味の「poltern」と霊を意味する「geist」から作られた言葉です。物が部屋を飛び交ったり、ラップ音といわれる、「パシッ」「ドンドン」という音がしたりするので、「騒々しい幽霊」というイメージでしょうか。

「ボイル・シャルルの法則」で有名な17世紀の物理学者・ロバート・ボイルはポルターガイスト現象に科学的に取り組んだ最初の人物です。彼はフランスで起こった幽霊騒動を調べ、以後、世界各地でポルターガイスト現象が研究されるようになりました。

その原因はいったい何なのか?

19世紀後半から活動を始めている、英国心霊調査教会は、ポルターガイスト現象とは何なのか議論を続けてきました。開設当時は、その原因として「魔女・悪魔・悪霊」が考えられていました。

最近支持されている説は、思春期の少年少女のPK(念力)能力がこれらの怪現象を引き起こしているというものです。ポルターガイストに悩まされる家庭には、10代の子供がいるケースが多かったからです。彼らのストレスや性的なエネルギーが、無意識のうちに超能力として発散されたのではというのです。

有名なポルターガイスト事件

ティナ・レシュ有名なポルターガイスト現象としては1848年の「ハイズビル事件」、1984年「コロンバス事件」があります。ハイズビル事件は、ニューヨークのフォックス姉妹が、ラップ音によって霊と交信した最初の事例です。

コロンバス事件は当時14歳のティナ・レシュという少女の家に起こったポルターガイスト現象です。マスコミのインタビュウ中に電話機が急に飛んだ写真は、AP通信で世界に流れ有名になりました。これがその写真です。

インチキか本物か

しかし、この2つの事例は、ポルターガイスト現象を書いた文献で必ず登場する有名な事件ではあるものの、現在ではトリックやインチキであると言われています。

ハイズビル事件は、後になって、フォックス姉妹が糸で吊したリンゴを床に落としたり、足の関節をポキポキと鳴らしてラップ音を作ったと、新聞のインタビュウに答えています。

また、コロンバス事件のティナ・ロシュは、物を投げて自作自演しているところを、テレビ局に暴露されています。彼女は10年後に実の娘を殺害した罪で逮捕されました。少し精神的に不安定な女性だったのかもしれません。

調査・研究は慎重に

ポルターガイスト現象は、ただの自然現象だったり、人為的なトリックであるケースも大変多いのです。思春期の少年少女というのは、自分に関心を向けて欲しい一心で、大人が思いも寄らない嘘をつくことがあります。このようなことを十分に考慮に入れた上で調査をしなければ、いつまでたってもポルターガイスト現象を科学的に解明することはできません。

曾祖父と風の神

個人的な話ですが、私の曾祖父もポルターガイスト現象に関わった一人です。会ったことのない曾祖父ですが、彼はかなりエキセントリックな人物として、親戚中で今も話題の人物です。

彼は幽霊や妖怪が見えたそうで、時々「風の神がやってくる」と言いました。するとある部屋のふすまが一枚だけ、ガタガタと一晩中鳴ったのだそうです。合理的な祖父母は、「耳に聞こえない音波がたまたまそのふすまに共鳴しただけだろう」と言っていたのですが、はたしてポルターガイスト現象だったのかどうか、今では調べられないのが残念です。

徹底検証!パニックin幽霊住宅

ウォーターハンマー説をあげています。

参考文献

ポルターガイストポルターガイスト

コリン・ウィルソン 宮川 雅訳
青土社
1991.11

マリア超常現象の一般的な文献を紹介すると、コリン・ウィルソンか荒俣宏になってしまいますね。世界各地の様々なポルターガイスト現象を紹介し、解説してあります。

◇◆今週のギャラリーの作業工程◆◇

別撮りした小物を、フィルタの「ぼかし(移動)」で合成しています。ヒュンヒュンと飛び交う物に怖がっている様子の私です。このようなスピード感を出す合成は、 「フォトショップ講座 第8回 ぼかし(放射状)でスピーディーに」で解説しています。

◇◆公募展今週の一枚◆◇ テーマ「身のまわりの小物」

このコーナでは、ホームページ「幻想画廊」の「公募展」(画像投稿掲示板)に投稿された作品の中から1作品をご紹介しています。

顔アイコンTooruさん 「二人静」

二人静

○使用した画像加工ソフトと画像加工歴を教えてください

Photoshop 6.0  他、ワトソン紙に手描きで描画した背景をスキャニング後、描き込み追加、使用。
5年程になります。

○この作品について一言

能曲の二人静を題材にしました。義経を恋する静御前の御霊が、桜咲く山に菜摘みに来た娘の身体を借りて恋する人へ思いを舞で伝えようとする。そんな人の思いの儚さを蝋燭の灯に浮ぶ風景として描きました。

○あなたにとって画像加工ソフトとは何ですか?

筆や絵の具やカンバスといった大切な画材の一つと考えています。自分自身の作品表現の可能性を拡げる魅力的な画材(ソフト)だと思っています。

○マリアから一言

せつない女性の心情と、能の幽玄の世界が見事に表現されています。中央の蝋燭と、女性二人の構図も、対照的な世界を描くためによく考えられていますね。ため息の出るような、幻想的で美しい風景です。

◇◆編集後記◆◇

科学の目的というのは、分かることです。調査し、研究した結果、それが「正しいと分かること」または「間違っていると分かること」です。

だからまず見たり、聞いたりしたことを「本当かな」と疑って、自分が「分かっていない」ということを知るのが第一歩なんですね。自分の目で見たからといって信用してはいけません。だって、そんな事を言ったら、天才的なマジシャンのマジックを「本物だ」と信じることと同じではありませんか。

Xファイルのモルダー君も言っています。「やつらの言うことを信じるな」って。たくさんの情報を集めて、様々な角度から見て、自分で考えること。そうすれば「真実はそこにある」("The truth is out there ." Xファイルのキャッチコピー)のです。なあんて偉そうですが、私も心に命じて日々勉強しています。

幻想画廊」 (c) Maria Garcia, 2002-2008