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フォトショップを使った、幻想的なCGコラージュを、コラムとともに毎週お届けします。「公募展」に寄せられた読者のみなさまの作品をご紹介するコーナもあります。鑑賞派のあなたも、創作派のあなたもぜひどうぞ! |
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■■69号「愛の手紙」■■ |
2003年09月23日(火) |
◇◆ご挨拶◆◇
先週、南関東の地震の予想について書いたのですが、震度4,マグニチュード5.5の地震が20日の深夜に実際にありましたね。この地震と予想された地震とは別のものかもしれませんが、日頃からの地震情報の入手と、防災の準備は必要だなと感じました。
私も枕元に避難リュックと、ハンドバックに防災用品を準備しました。地震だけでなく、事故などに巻き込まれる可能性もありますからこれを機会に防災グッズをそろえてみてはいかがでしょう。ほとんどが100円ショップで手に入りますよ。
ちなみに私がいつもハンドバックに入れている防災グッズリスト(ご参考に)
・携帯AMラジオ
・ライター
・油性マジックペン
・笛(住所が書き込めるもの)
・包帯・絆創膏
・パスポートと保険証などのコピー
・ビニール袋大
・手ぬぐい
・ミニ懐中電灯
・名刺の裏に住所・血液型・アレルギーを書いたもの
・キャンディーなどお菓子
・マスク
◇◆今週のギャラリー◆◇

大きな画像はこちら
信じてください。ぼくは、きみがこれを読む八十年もあとの時代に実在し、生きているのです。きみと恋に落ちたことを、心の底から信じながら
(ジャック・フィニィ 「愛の手紙」より)
最後に手紙を書いたのはいつですか? コンピュータの「メール」じゃなくて、便せんに書く「手紙」のことです。私が中学生ぐらいの時には、文房具屋さんで可愛いレターセットを選ぶのが楽しくて仕方ありませんでした。でもここしばらくは、形式的なお礼状以外の手紙を書いた覚えがないんですよね。みんなメールでやりとりしています。
先日家の大掃除をしたときに、古い手紙の束が出てきました。少し変色して、ぱさぱさになった便せん、薄くかすれたペンの文字……。それらを眺めていると、当時の友達の顔や思い出が鮮やかに蘇ってきました。
無骨な書体、柔らかい書体、丸っこくて可愛い書体……文字の書き方によっても人となりが伝わってくるようです。古びることのないデジタルデータとしてのメールは、内容を検索するときに便利ですが、昔もらった便せんと封筒の手紙は、一瞬で過去に運んでくれるタイムマシンのような機能があります。
今回は、「手紙」をテーマにした、ロマンチックなSFをご紹介しましょう。ジャック・フィニィの『ゲイルズバーグの春を愛す』という短編集からの『愛の手紙』です。
主人公の青年は、古道具屋で古い机を買います。ふとしたことから、その机の引き出しの中に、隠し引き出しがあることを発見します。ドキドキしながら開けてみると、中には白紙の便せんの束と封筒、インク、ペンが入っていました。ずいぶん古いもののようです。
その中の封筒の一つに厚みがあったため、青年は封を開けてみます。するとそれは1882年に書かれた手紙でした。美しく優雅な筆跡の女文字。その手紙は「ヘレン・ウォーリー」なる、80年前の女性が、空想上の理想の男性に宛てたラブレターだったのです。
「愛する人よ」と、ヘレンはつづります。彼女はもうすぐ望まない結婚をしなければならないのです。その不安や悲しみ、愛への憧れを、空想の恋人に向けて手紙に書いたのです。
青年は、恋に落ちました。何十年も前にこの机に向かって秘密の手紙を書いたヘレンに同情したのかもしれません。でもよく言うではないですか「かわいそうたあ、惚れたってことよ」って。
彼は机に入っていた便せんに、手紙をしたためました。「あなたの手紙を読みました。ぼくはきみに対して、誠心と愛情をささげられることを約束します」
青年の書く手紙は実に素晴らしいラブレターです。こんな素敵な手紙を頂いたら、私もコロリと恋に落ちてしまうと思うような名文。
青年は書き終えた手紙を机の中の古い封筒に入れ、子供の時に手に入れた1869年発行の2セント切手を貼り、古道具屋がその机を手に入れた屋敷の住所とヘレン・ウォーリーの宛名を書き、その街で一番古い郵便局のポストへ投函するのです。半分ばかばかしいと思いながらも、不思議な達成感が心に沸き上がります。
そしてしばらく経ったある夜、青年が机の真ん中の引き出しを開けてみると、そこにも隠し引き出しがあり、なんとヘレンからの手紙が入っていたのです。
「あなたはいったい誰なの?」と驚きながらも手紙の主に会いたいと書くヘレン。青年は、全てを手紙に告白します。自分はヘレンのすぐ近くに住んでいるけれど、それは1962年という未来であること。古道具屋で机を手に入れ、手紙を見つけたこと。その手紙の女性に恋をしてしまったこと。
そして残り一つになった隠し引き出しを1週間後に開けてみると書きました。それが最後の通信手段なのです。
1週間後、青年が引き出しを開けるとそこには古い写真が入っていました。古めかしいスタイルの服のヘレンの姿です。写真には「永遠の思い出のために」と書かれていました。それが彼女の答えでした。
その後青年はもう一つだけ残された通信手段を思いつくのですが、その甘くせつないラストはぜひ物語を読んでみてくださいね。
この短編集の中の『愛の手紙』は15分ぐらいで読めてしまうほど短い作品ですが、何年経ってもせつない初恋のように思い出す、素敵なお話です。
でも『愛の手紙』はもう何十年かすると、紙の手紙がすたれてしまって、「何の事やらさっぱりわかならい」というお話になってしまうのでしょうか?
いえそうは思いません。昔の写真、子供の頃大切にしていたオモチャ、古い映画……何か古いものを手にしたり、目にしたときに、人は時間の壁を越えることができるのです。一瞬にして鮮やかに過去を思い出せるという脳の機能は、未来の人間も変わることがないでしょう。
ノスタルジックな『愛の手紙』は心のタイムトラベルを扱ったSFの名作ですのでぜひご一読を。
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クリックするだけでサクサクラブレターを作ってくれます。ま、シャレってことで。
参考文献
ジャック・フィニイ 福島 正実訳
早川書房
1980.11
実は、この本を紹介するのは2回目です。『恋』という作品で、引用したことがあります。でもぜひオススメしたい一品なのでもう一度書いてみました。心が温まる素敵な作品です。
◇◆今週のギャラリーの作業工程◆◇
色調を落として、画像を複製し、描画モード「オーバーレイ」で重ねます。こうすることによって、写真のエッジが少しぼけますので、古びた感じになります。ところどころぼかしを入れて、古い紙をスキャンしたものを描画モード「乗算」で不透明度を調整しながら重ねます。これで全体にシミのようなにじみが出ます。
古い写真の作り方は、新・フォトショップ講座「昔写真で、アンティック!」でも解説していますので参考にしてくださいね。
◇◆公募展今週の一枚◆◇ テーマ「海」
このコーナでは、ホームページ「幻想画廊」の「公募展」(画像投稿掲示板)に投稿された作品の中から1作品をご紹介しています。

○使用した画像加工ソフトと画像加工歴を教えてください
イラストレータ、フォトショップ、シェード
○この作品について一言
海の流のながれ者、今日はココで明日はあっち。昨日いた場所は忘れた。(せわしなく流れる海流は皆まとまっているのか?好き勝手に流れているのか?生命の流れ、ライフストリーム)
○あなたにとって画像加工ソフトとは何ですか?
依存すればするほど、表現力は落ちる。あくまで補助。
○ホームページをお持ちでしたら、PRをどうぞ
フラッシュ、イラスト、3DCG等を気まぐれに更新。
「■□Challenge Time□■」http://yukip.abcb.jp/
○マリアから一言
潮の流れをイラストの手で表現することによってユーモラスなイメージになっています。気ままでゆったりとした「流」の様子と明るい色調で癒されました。こんなその日暮らしの旅も素敵ですね。
◇◆編集後記◆◇
最近は事件も多いことから、悪いイメージがある「出会い系」、「メル友」。でも私は、全く別の環境、職業、遠い地域、年齢差などで本来出会うことのなかった人と、メールで交流できるというのは素晴らしいことだと思っています。私は、自分と違った考えを持つ人の話を聞くのが好きなのです。
「幻想画廊」を通して、様々な年齢層、職業、地域の方から感想を頂くと、本当にインターネットがあって良かったと思います。
紙の手紙が衰退してしまったのは残念だけど、メールによって別の楽しみも生まれました。どちらの媒体にも良いところ、悪いところがあるものです。悪いイメージばかりが先行しているメール交換ですが、もう少し良い部分をメディアにとりあげてもらいたいなあと思います。
?u幻想画廊」 (c) Maria Garcia, 2002-2008