飛龍幻想
飛龍幻想(2001年06月02日〜2002年03月19日)
「飛龍幻想(ひりゅうげんそう)」は幻想画廊の元となったサイトです。幻想画廊の開設日は2001年07月23日ですが、飛龍幻想はそれよりも2ヶ月近く前の2001年06月02日にオープンしました。陳飛龍君をモデルにしたフォトショップのコラージュ作品とコラムを掲載したギャラリーサイトでした。
「飛龍幻想(ひりゅうげんそう)」は「幻想画廊」の前身となったサイトです。当時まだ大学生だった陳 飛龍(チャン・フェイロン)君にモデルを頼んで、画像加工の練習がてら作品をアップしていました。更新日は最初は毎週土曜日でしたが、後に毎週火曜日となりました。幻想画廊と同じくはじめの頃は画像のみでしたが、だんだんコラムを書くのが楽しくなってきて文字数が増えていきました。
飛龍幻想の作品は全25作品
2年間で全25作品作りました。オスカー・ワイルドの『サロメ』、『アラジンと魔法のランプ』、絶滅したリョコウバト、バレエダンサー・ワツラフ・ニジンスキー、藤子・F・不二雄の『ミノタウロスの皿』──など様々なテーマで作品作りとコラム執筆をしました。
最初はカメラのこともさっぱり分かりませんでしたが、図書館でたくさん写真術の本を借りてきてコツコツ独学しながら学んでいきました。ロケ地を選考したり、コラムの内容を考えるのも楽しみの一つでした。
HTMLって何?
サイト全体は「フレーム」という今はもうすっかり古くなってしまった技術を使って表示していました。当時はまだ良いオーサリングソフトがなかったので、テキストに手打ちでHTMLやCSSを書きました。
スマホしか使わないお若い方はご存知でないかもしれませんね。HTMLというのはたとえばこういうものです。サイトに「幻想画廊」という文字を表示してリンクを張りたい場合、最低限↓こんな感じのものを書かねばならないんですよ。
<head>
<meta charset=”Shift_JIS” />
<link rel=”stylesheet” href=”style1.css” type=”text/css”>
</head>
<body>
<a href=”https://photo-collage.jp/”>幻想画廊</a>
</body>
</html>
こ、これは非常にめんどくさい!
現代のブログやSNSはただ「幻想画廊」と打って「送信(公開)」ボタンを押すだけですが、2000年代のサイト作りは自分でマークアップ言語を学んで、プログラムを書かねばならなかったんですね。こんな調子で600ページものサイトを作ってしまった自分、どうかしてます。いやー、昔の人って根気がありますね(もう18年も前のことだから完全に他人事です)。
飛龍幻想ができたきっかけ
飛龍君とはメル友募集の掲示板で知り合いました。お会いしてみると「この子には光るものがある!」と思い、彼をプロデュースしようとひらめきました。2001年当時はモーニング娘。をプロデュースしたつんく♂(シャ乱Q)さんが話題となっていて、私も一度プロデューサーになってみたかったからです。
飛龍君はとても感の良い方で「こんな感じの作品を作りたい」と話すと、「こういうポーズどうかな?」とアイデアを出してくれたりしました。撮影しながらコラムや本についてのおしゃべりも楽しかったです。
最初の頃はアクセス数も数十件ほどしかありませんでした。その内訳はほとんど飛龍君と私のアクセスだったと思いますが、毎週アップし続けていたところYahoo!カテゴリに掲載されたことが契機となり、訪問者が一気に増えました。
そして「幻想画廊」誕生へ
飛龍君が卒論を書く時期になるとなかなかモデルを頼むことが難しくなってきました。モデル料もボランティアでしてもらってる状態でしたし、わざわざロケ地まで足を運んでもらうのも申し訳ない気持ちになりました。
そこで私自身の画像を使ってセルフポートレートの合成作品もアップすることにしました。するとこれがなかなか評判が良くて、さらにアクセス数が伸びていきました。女がサイト作りをするのがまだ珍しかった時代でした。私は「一風変わったネットアイドル」として注目を浴びるようになったのです。
ではいっそのこと別サイトを作るか──ということになり誕生したのが「幻想画廊」でした。もともとは「飛龍幻想」が本館で、「幻想画廊」は別館だったんですね。しばらくは両サイトを同時進行で更新していました。
飛龍君はこのサイトでも一度100万アクセス記念企画の時に遊びにきてもらってますよ。妹エレナとのおしゃべりラジオのゲストとしてご協力いただきました。こちらの記事もぜひどうぞ。

卒業とともに更新終了
そんなわけで私としてもとても思い入れのあるサイトだったのですが、飛龍君が大学を卒業して東京を離れることになり、サイトの更新を終了することになりました。その後数年して一度上京の際にお会いして近況報告などしました。元気にバリバリと社会人をされているご様子でした。
飛龍君、元気ですか?
しばらく年賀状のやりとりなどしていましたがそれも途絶えて現在に至ります。今はどうしていらっしゃるのかなあ。2019年現在30代後半となっている飛龍君、きっと元気にどこかで充実した毎日を送っていることと思います。「幻想画廊」は君の協力なくしては誕生しませんでした。心から感謝しています。ありがとうございました!【マリア・ガルシア&五十嵐麻理】