【無題】ただいま! 私マリア・ガルシアは、失踪から無事帰ってきました

家出を後悔したのは、約200通寄せられた体験談のうち、1割未満。ほとんどの人は『自分にはどうせ無理』と思っていた家出が、やってみれば悩むほどのことじゃないと書いていた」

(『完全家出マニュアル』今一生 より)

ただいまー!

【逃避行】マリア・ガルシアはちょっと失踪してみることにしました
何も心配する必要はない。人間は誰しも小さな失踪を繰り返して生きている。(『完全失踪マニュアル』樫村政則 より)

失踪から無事帰還しました。みなさん、ご心配をおかけして本当にすみませんでした。サイトもほったらかしでしたが、帰ってからメールを受信してびっくり。たくさんの励ましのメールをいただきました。

今回のギャラリーは特にコラムとは関係ないのですが、明るくすがすがしい雰囲気にしました。すっかりリフレッシュした様子が伝わるといいのですが。

ネットの半分は……

「勝手なこと言うな」「人の迷惑を考えろ」などのおしかりメールも覚悟していたのですが、一通もネガティブなメールはなく、「これを機会にゆっくりしてください」「私の分まで失踪を楽しんでね」という暖かい言葉ばかりでした。「ネットの半分は優しさでできている」とバファリンのようなことを考えてしまいました。

いただいたメールのお返事は必ず書きますが、すごい量をいただいたのでどうぞ気長に待ってくださいね。

ご紹介したいメール

今回はやっぱり失踪中の出来事などを書くべきかなと思ったのですが……。
実はこのようなお便りをいただいたのですよ。勝手にいただいたメールを引用してしまうことを最初にお詫びしておきます。ごめんなさい。でもあまりに素敵なメールだったので、ぜひ匿名でご紹介させてください。

(略)幻想画廊で不思議な架空世界を提示していただいたおかげで、マリアさんの失踪すらファンタジックなもののように思えてなりません。変な言い方ですが、マリアさんの失踪には夢がある。

どこに失踪しているのか、ということを考えるだけでも想像は膨らみます。秘湯めぐりでもしているのだろうか、彼氏の家に押し掛け女房みたいなことをしているのだろうか、豪華客船に乗って大海原を眺めているのだろうか、はたまた中央アジアあたりで遺跡を発掘しているのだろうか。

メールが妹さんの元に届いているということは国内にいるのか。はたまた国際ローミングで海外に行っているのか。などなどなど、色んな幻想を抱かせます(略)

私とマリア・ガルシア

実際の失踪期間中、私は様々な人と出会い、見知らぬ土地をさまよい、私なりの冒険をしたつもりでした。でもこれを正直に書いてしまうと、こんな楽しいメールを下さった読者の方をがっかりさせてしまうかもしれません。

「幻想画廊」というサイトを始めて2年ちょっと。メールマガジンを配信し始めて1年半。サイトもメルマガも作っているのは私自身ですが「マリア・ガルシア」という人間は、私でありながら、最近少し私から分離し始めているのでしょうね。

幻想の失踪

実際の失踪も楽しかったのですが、マリア・ガルシアがやったであろう「幻想の失踪」を夢見ることで、さらに想像力を自由に羽ばたかせることができました。幻想世界のマリアは、逃避行の間世界を股にかけ、異国の人と恋に落ち、時には危険をひらりとかわしながら大冒険をしたのかも──と、ロマンチックでワクワクするような気持ちになりました。

お願い、逃げて

失踪は家族や知人に心配をかけます。またいくら失踪したくても学校や仕事などで、どうしても家を空けられないという方も多いでしょう。

でももし、どうしてもどうしても苦しいことがあって、それを乗り越えられない状況にあったら、お願いですから逃げてください。

神戸新聞が調べた統計によると、ここ5年の年間の自殺者数は3万人を越えています。50代以上の中高年が6割以上を占めます。健康問題や経済的な理由が多いそうです。自動車事故の死亡者が年間1万人弱なのを考えると、いかに多くの人が自ら死を選んでいるかが分かります。

またドメスティックバイオレンスに悩む女性や、両親からの虐待を受け続ける子供たちなど、地獄のような日常を送っている方も世の中にたくさんいるでしょう。

失踪した後

私の日常の悩みなど、死を考えている人に比べたらたいしたことはありません。でも私なりに本当に苦しい毎日でした。もうここからは抜け出せないのだ……と沈んだ気持ちでいました。

失踪は多くの方に心配をかけましたが、理解を示してくれる方も多かったし、仕事も最小限のダメージで済みました。あのままずっと家に居続けて鬱々とした毎日を送るよりは、よほどいい結果を生んだと思っています。

人生の最初の日

私の好きな言葉をご紹介します。

今日はあなたの残りの人生の最初の日

Today is the first day of the rest of your life.

薬物中毒患者救済機関の施設シナノンの設立者チャールズ・ディードリッチの言葉です。

袋小路に入ってしまって、どうにもならなくなったとき、この言葉を思い出してください。期限付きでも、無期限でも、いつでも失踪することはできるのだと心の片隅に留めておいてください。

「人生の最初の日」はあなた自身が願えば、いつだってやってくるのです。

参考文献

『完全家出マニュアル』今一生

ドメスティックバイオレンスに苦しむ女性、親からの虐待に耐えられない子供達のために書かれた、非常に具体的な家出のマニュアル。下の『失踪マニュアル』をさらに具体的、実用的にしたもの。死を考えるほど苦しんでいるのなら、お願いですから逃げてください。

このブログは2001年07月23日開設のサイト「幻想画廊」を2019年にWordpressで移築したものです。この記事は15年前の、2003年11月25日(火)に書かれました。文章の内容を変えずにそのまま転載してあります。リンク切れなど不備もありますが、どうぞご了承くださいませ。

元サイト「幻想画廊」はこちらです。

トップへ戻る