(中級)フォトショップ講座03──雨ザーザーでブルーに(アルファチャンネル)

アルファチャンネル……フォトショップの中でもちょっと理解しにくい機能です。でも一度使えるようになるとフォトショップで出来る画像加工の幅がグーンと広がりますよ!

素材辞典・イメージブック4 71 スポーツ・躍動編

予習:アルファチャンネルって何?

アルファチャンネルとは何でしょう?画像加工の前にちょっと予習しちゃいましょう。アルファチャンネルとはズバリ! 作成した選択範囲を保存するツールのことです。

左の図の黒い紙を見てみましょう。これがアルファチャンネルです。実際のアルファチャンネルは黒、白、グレーで描かれていますが、こんな風に白い部分が切り抜いてあると考えると分かりやすいです。

アルファチャンネルに描いた画像は選択範囲として選択できます。この選択範囲で画像を切り抜いたり出来るんです。

また、こんな風にも考えられます。 エアブラシを使ったことがある方は理解しやすいと思いますが、アルファチャンネルは、一種の「マスキング」としても使えます。

上からスプレーやブラシで塗りつぶすと、切り抜かれた所のみに色がつきますね。

エアブラシのマスキングはカッターなどで切りますから、切り抜いた輪郭ははっきりしています。でもアルファチャンネルではグレーの部分を使って、輪郭をぼかしたように描くことが出来るんです。便利ですね!


チャンネルパレットを見てください。ここにアルファチャンネルを作ります。


右下にある赤い四角形の部分をクリックしてください。


アルファチャンネルができました。画像はこんな感じで、真っ黒なはずです。


【フィルタ→ノイズ→ノイズを加える】を選択してください。このようなウィンドウが開きます。「量」を好きな数値にして下さい。 数値を大きくするほど、雨の粒が大きくなります。数値は画像の解像度によりますので、何度かやってみて調節してください。

雨の粒を小さくしすぎると選択範囲として選択できなくなりますので気をつけてくださいね。

「分布方法」「ガウス分布」を選び、OKをクリックします。


画面上もざらざらとした白の点々が表示されましたね。


【フィルタ→ぼかし→ぼかし(移動)】を選択します。このようなウィンドウが開きます。ここの「角度」、「距離」を好きな数値にして下さい。

角度は雨の降る角度です。横殴りの雨、しとしと降る雨などお好きな雨の角度にして下さい。

距離は雨の降る強さになります。お好きな雰囲気の雨の強さにして下さい。


こんな風に黒バックに白の雨が降りましたか?


レイヤーパレットを見てみましょう。右下の赤い四角形の部分をクリックして新しいレイヤーを作ります。新しくできたレイヤーをダブルクリックすると、自由に名前を変更できます。「雨」という名前にしました。


「ツールパレット」を見てください。「描画色」を白色にします。これが雨の色になります。


【選択範囲→選択範囲を読み込む】を選択してください。左のようなウィンドウが開きます。 チャンネルパレットで作っておいたアルファチャンネル1を選びます。


すると画面の方はこのような感じになります。雨の強さを弱くした場合、この点々の線が、ほとんど見えないかもしれません。この選択範囲の点々の線は見かけだけのものです。 でもちゃんと選択範囲を読み込んでいますから、大丈夫!


もし選択範囲が小さすぎるとこの警告文が表示されます。アルファチャンネルの雨が細かすぎるのです。「ノイズを加える」というところで雨の元になる「ノイズ」の大きさをもう少し大きめにしてみて下さいね。


【編集→塗りつぶし】を選択してください。すると左のようなウィンドウが開きます。使用「描画色」を選んでください。そしてOKをクリックすると……。


なんと、あっという間に雨が描けましたよ!


画面が雨の日にしてはちょっと明るすぎるようです。全体的に暗くしてみましょう。

【イメージ→色調補正→色相・彩度】を選び、彩度と明度を下げます。


完成! 雨の日はちょっと気分が沈んでしまうけど、ファイト!ファイト!


応用作品

素材辞典・イメージブック5 99 東南アジア-タイ・カンボジア・ベトナム編 



周りをぼかす方法については第1回講座「セピア調でクラシックに」をご覧下さい。

上のような晴れた日もあっという間にどしゃ降りの天候になります。また写真の周りを黒くぼかしてみました。まるで雰囲気が違ってしまいますね。


注意書き

フォトショップは多彩な機能が搭載されているソフトです。この方法は唯一のやり方ではありません。具体例としていくつか加工法をご紹介しますが、他のもっと良いやり方があるかもしれません。あなただけのやりやすい加工法を見つけるためにもいろんなやり方にトライしてみてくださいね。

このブログは2001年07月23日開設のサイト「幻想画廊」を2019年にWordpressで移築したものです。この記事は日付未入力の、2006年07月03日に書かれました。文章の内容を変えずにそのまま転載してあります。リンク切れなど不備もありますが、どうぞご了承くださいませ。

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