【進化】『アフターマン』5千万年後の未来の動物はこうなっている!?

温帯に住むコモン・ラバックはウングラズス属の原型を示す種である。体高は2m近いが、体表一面に斑点があり、木立にまぎれると、全く目立たない。

(『アフターマン』ドゥーガル・ディクソン より)

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未来の世界から実況中継

「みなさんこんにちは! 私は今人類が滅亡した、5千万年後の世界を訪れています。ここは温帯深林地方の草原です。あちらに見えるラバックが見えますか? 親子のようですね。このラバックはウサギが進化した動物なんですよ。ウサギ類は環境の変化に柔軟な適応力を持っていたので、人類が絶滅した後も上手く進化していったんですね。」

5千万年後の動物

アフターマン』という本を知っていますか? スコットランドの学者、ドゥーガル・ディクソンが、進化学の見地から5千万年後の生物がどのように進化しているのかを美しいイラストとともに、解説した本です。

今回のギャラリーは『アフターマン』に登場するラバックという動物を描いてみました。タイムトラベルができるのならぜひ5千万年後に行ってみて、どんな風に動物が進化しているのか見てみたいですね。

進化論とキリンの首

みなさん生物の時間で進化論を習ったこと覚えていますよね。教科書にはこんなことが書いてありませんでしたか?

昔のキリンは首が短かった。でも木の上の葉を食べようとするうちに少しずつ首が長くなっていった。また首が長いキリンは上の葉を食べることに有利だったため生き残っていった。そのため今のキリンは首が長くなった

上のキリンの例は進化論の説明としてよく登場するものです。1809年のフランスの生物学者ラマルクが、使用頻度の高い動物の器官は発達しそれが子孫に伝えられる──という説を発表し、その50年後にダーウィンが生存に有利な変異をもった個体が生き残るという自然淘汰説『種の起源』に書きました。これらの説を表したのが例の「キリンの首」なのです。

ちょっと怪しい?キリンの首のお話

しかし「キリンの首」のお話、実は進化論の説明としては眉唾なんですよ。首が伸びたから生存に有利だというなら、なぜ他の動物の首は伸びなかったのか──という疑問が出てくるからなんです。

また何世代にもわたって徐々に伸びていったのなら、中くらいの首の長さのキリンもいたはずですね。でも首の短いキリンと長いキリンの化石は見つかっても、中間の首の長さのキリンの化石は未だに発見されていません。

第一キリンの首が長くなったのは生きるのに有利だったからとすると、ゾウの鼻が長いのも何らかの生存に関わるような有利な点があったからとしなければならなくなります。でもゾウの鼻が長い方が絶対的に有利だとは言い切れません。

どうもキリンの首は何らかの原因で一気に伸びたとしか思えません。ダーウィンの進化論は画期的でしたが、様々な学者が矛盾点を挙げて研究を続けています。現在のところこれが決定打という説は出ていません。進化論にはまだわからない点が多すぎるのです。

科学はいつも発展途上

私は子供の頃は純真だったので、教科書に書いてあるのはすべて絶対的な真理なんだと思っていました。でも高校生になって進化論を勉強して「なあんだ。いいかげんなことをさも絶対正しいことのように書いちゃってさあ」と拍子抜けしてしまいました。

物理学にしてもそうですね。重力の法則と相対性理論、量子論の矛盾点をようやく最近「超ひも理論」が解決できるのかも、というレベルなのです。

ラバックの住む未来へ

『アフターマン』の未来世界は単なる一学者の想像にすぎなく、本当の未来は全く別の方向に向かっているかもしれません。でも現代の科学だってまだまだ分からないことだらけなのです。それなら想像の翼をはばたかせて、ラバックの住む未来を楽しんでしまった方が面白いのではないでしょうか?

参考文献

『アフターマン人類滅亡後の地球を支配する動物世界』ドゥーガル・ディクソン

進化論のテキストとしてもとても勉強になる本です。5千万年後は美しい野生動物たちの楽園になっているようですよ。本当に未来旅行に行きたくなります。残念ですが、絶版なので図書館や古本屋さんで探してください。

Latitudinal variation in Rabbucks

ラバックはこんなイメージなんですよ。

このブログは2001年07月23日開設のサイト「幻想画廊」を2019年にWordpressで移築したものです。この記事は17年前の、2002年09月24日(火)に書かれました。文章の内容を変えずにそのまま転載してあります。リンク切れなど不備もありますが、どうぞご了承くださいませ。

 

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