不思議小説・幻想物語

幻想的な小説をご紹介してます。

自然と癒やし

【高丘親王航海記】澁澤龍彦の幻想文学の最高峰『高丘親王航海記』

天竺にはね、わたしたちの見たこともないような鳥けものが野山をはね回り、めずらしい草木や花が庭をいろどっているのよ。そして空には天人が飛んでいるのよ。そればかりではないわ。天竺では、なにもかもがわたしたちの世界とは反対なの。私たちの昼は天竺の夜。わたしたちの夏は天竺の冬。(『高丘親王航海記』澁澤龍彦 より)
不思議小説・幻想物語

【ヴァンパイア】吸血鬼カーミラと殺人鬼エリザベート・バートリー

ええ。とてもね、残酷な恋、不思議な恋でね、わたくしあのままでいったら、命をとられたでしょう。恋には犠牲がつきものなのね。犠牲には血がつきものだわ。(『吸血鬼カーミラ』レ・ファニュ より)
不思議小説・幻想物語

【草原の夜】夭折した天才詩人・金子みすゞの視点

『草原の夜』 ひるまは牛がそこにいて、 青草たべていたところ。 夜ふけて、 月のひかりがあるいてる。(『草原の夜』金子みすゞ より)
不思議小説・幻想物語

【愛の手紙】『愛の手紙』(ジャック・フィニイ)机の引き出しの恋文

信じてください。ぼくは、きみがこれを読む八十年もあとの時代に実在し、生きているのです。きみと恋に落ちたことを、心の底から信じながら(『愛の手紙』ジャック・フィニィ より)
不思議小説・幻想物語

【願い事】願いを3つ、なんでも叶えてくれる「猿の手」にあなたは何を願う?

それでもって、つまりこの猿の手に、三人の人間が、めいめいに三つの願いをかなえられるように、まじないをかけたのです(『猿の手』W.W.ジェイコブス より)
不思議小説・幻想物語

【夜】チルチルとミチルと一緒に、不思議な国々へ行ってみませんか?

人間はなにをもくろんでいるんだろうねえ? なにもかも全部知りつくさないと気がすまないのだろうか? 人間はあたしの秘密の三分の一は知ってしまった。(『青い鳥』メーテルリンク より)
不思議小説・幻想物語

【黒蜥蜴(くろとかげ)】『黒蜥蜴』江戸川乱歩  悪の女王の美学

今にもそれが、肩から頚、頚から顎、そして彼女の真っ赤なヌメヌメとした唇までも、這いあがって行きそうに見えながら、いつまでも同じ腕にうごめいている。真にせまった一匹のトカゲの入墨であった 。(『黒蜥蜴』江戸川乱歩  より)
不思議小説・幻想物語

【オフェーリア】死せるヒロイン・なぜ水死する少女に私たちは恋をするのか?

そして詩人は語るのだ、星の輝く夜になると摘んだ花を探し求めにおまえが来ると、長いヴェールに横たわる蒼白いオフェーリアが大きな百合の花のように流れを漂うのを見たと。(『オフェーリア』ランボー より)
不思議小説・幻想物語

【楽園】『瓶詰地獄』近親相姦を扱った、美しくも哀しい南国の悪夢

ああ神様…………私たち二人は、こんな苛責(クルシミ)に会いながら、病気一つせずに、日に増し丸々と肥って、康強(スコヤカ)に、美しく長(ソダ)って行くのです、この島の清らかな風と、水と、豊穣(ユタカ)な食物(カテ)と、美しい、楽しい、花と鳥とに護られて…………(『瓶詰地獄』夢野久作 より)
不思議小説・幻想物語

【蛙の王様】こんなひどいプリンセス見たことない! 史上最悪のお姫様

わたしはもうおなかがいっぱいで、ねむくなりました。さあ、わたしをあなたの部屋へつれていって、あなたの絹のふとんで寝るしたくをしてください。ふたりで寝ることにしましょう。(『蛙の王様または鉄のハインリヒ』グリム より)
不思議小説・幻想物語

【ガリバー】『ガリヴァ旅行記 』ブラックユーモアに溢れた皮肉小説の真実

それで私は、懸命に下目を使ってそちらを見ると、なんとそれが、身の丈こそ六インチにもみたないが、れっきとした人間だったのだ。(『ガリヴァ旅行記 改版』スウィフト より)
エキゾチックアジア

【イザナギ・イザナミ】『古事記』日本初のナンパは女性からって本当!?

ああ、なんてすてきな殿方よ。(『口語訳 古事記』三浦 佑之訳・注釈 より)
不思議小説・幻想物語

【アリス】『不思議の国のアリス』少女を愛し続けたルイス・キャロルの夢

あんなばかげたお茶の会に出たのは、生まれてはじめてだわ!(『不思議の国のアリス』ルイス・キャロル より)
エキゾチックアジア

【南総里見八犬伝】ホラー&スプラッタな日本古典文学史上最大の長編小説

八個の大きな珠は霊気につつまれ、それぞれに文字をうかびあがらせながら、燦然と中空でかがやいている。(『南総里見八犬伝 1 妖刀村雨丸』滝沢 馬琴 浜 たかや より)
不思議小説・幻想物語

【青ひげ】『血染めの部屋』愛する女を試し続けた男の悲劇とは

約束してくれないか、色白の顔のわがピアニストよ。鍵束の全部の鍵を使ってもよいが、きみに見せたあの最後の鍵だけは絶対に使わないことを約束してくれないか。(『血染めの部屋 大人のための幻想童話』アンジェラ・カーター より)