能力はこれだけで終わらなかった。小学校レベルの算数から始まって、今では高校三年生で習うくらいの数学の問題まで解けるようになった
(『猫にまつわる不思議な話』宇佐和通 より)
はあーっくしょん!
フカフカの毛皮をソファ代わりにすやすや。気持ちよさそうにしてますが、実は私はネコの毛アレルギー。こんなことをしたらくしゃみで眠るどころではありません。ネコは大好きなんですけどね。
数ヶ月前に妹が一時的に子ネコを4匹預かったことがあります。毛並みと顔立ちがいい美ネコで目尻が下がりっぱなしでしたが、子ネコたちを抱いて数分もすると腕にぶつぶつとじんましんが! ああ、こんなに愛しているのに体が受け付けないなんて……。ネコを飼える方がうらやましい。
ネコ好きのみなさんもびっくり?
しかし普通にネコを飼っていらっしゃる方も、思わず羨望の眼差しを送ってしまう飼い主さんがいらっしゃるのです。ネズミを捕ってくるネコ? 自分で人間用トイレに用を足すネコ? お手をするネコ? いえいえ、なんとそのネコは、足し算引き算どころか平方根、代数、幾何まで理解するのです。
天才ネコ、その名はキューティーボーイ
ネコの名前はキューティーボーイ。毛皮がふさふさのペルシャネコです。彼はアラブ首長国連邦のドバイに住んでいます。ペットショップで彼を見つけたヘマ・モーハン・チャンドラーさんによると、子ネコの頃には何の変哲もないように思えたキューティーボーイが、しばらくすると普通のネコとはかなり違っていることに気づいたそうです。
コミュニケーションの方法
ヘマさんは20までの数を彼に教えました。キューティーボーイはヘマさんの頬に鼻をすりつけることで数を伝えたり、「Yes」と「No」の意思表示をします。ヘマさんの息子さんも一緒になって、何千回もキューティーボーイをテストした結果、彼が正確に数を把握していることが分かったのです。
高校生レベルの数学だってなんのその
20を超える数字を数えるのはヘマさんたちも大変です。そこでカードを使ってキューティーボーイに算数を教え始めました。彼はカードを見たり、しっぽを動かすことによって次々と正解を出し続けました。小学校レベルの算数が解けるようになっただけではありません。代数、幾何、ピタゴラスの定理など、高校生レベルの数学の才能を発揮したのです。
全世界の研究者が駆けつける
はいはい。おっしゃりたいことはよっく分かります。いくらなんでもそんな馬鹿な──って?
ひとたびキューティーボーイが新聞の記事になると、にわかには信じられない話を検証するためにたくさんの研究者がドバイに駆けつけました。
中学の数学教師のシャーデバン・パニカー氏もその一人です。彼は注意深く代数、幾何、平方根のテストをキューティーボーイに行いました。結果は全問正解。その後、数学者や動物学の研究者によって、彼が8カ国語の理解と色の区別ができることが分かりました。
ネコのアインシュタイン
『The Gulf Today』と『The Gulf News』に掲載されたこのニュースは全世界で議論を巻き起こしました。キューティーボーイは本物の天才ネコなのか? それとも何らかのトリックなのか? しかし結論はまだ出ていないようです。
私もちょっと信じられない部分があります。でも考えてみれば天才アインシュタインと比べたら、私なんかはネコ以下の頭しかないのかも。そう考えるとネコ界のアインシュタインがいたっておかしくはありませんね。
飼い主さんから見ると、天才ネコだろうがなんだろうが、自分の家のネコが一番カワイイというものなのかもしれません。寝てばかりのぐーたらネコちゃんでも、ウチの子が一番!?
参考文献
『猫にまつわる不思議な話』宇佐 和通
ドバイの天才ネコの他にも、筆者が聞いた話や、新聞などで報道された、ネコに関する不思議な話を収録。ネコのモノクロ写真がとってもカワイイー!
このブログは2001年07月23日開設のサイト「幻想画廊」を2019年にWordpressで移築したものです。この記事は19年前の、2003年09月09日(火)に書かれました。文章の内容を変えずにそのまま転載してあります。リンク切れなど不備もありますが、どうぞご了承くださいませ。