【ロボット】チャペックのロボットと日本のロボット──起源と役割、そして未来

まずこの全目的ロボットの完成を急ごう。人間のできることなら、なんでもできるロボットだ。

(『夏への扉』ロバート・A・ハインライン より)

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世界一のロボット大国・ニッポン

中華ロボット「先行者」を羽交いじめにしている、巨大娘ロボットです。ちょっと古かったかな。

チェコの天才作家カレル・チャペックが戯曲の中で初めて「ロボット」という言葉を使ってから80年。日本は世界一のロボット先進国になりました。産業用ロボットのシェアは60%以上で、なんと世界一なんですよ。

近年産業用ロボットの伸び率は横這い気味ですが、その代わりに大きく発展しているのがエンタテイメント性の高い非産業用ロボットです。みなさんも二足歩行をするヒューマノイド(人間型)ロボット、ホンダのP2、P3、ASIMOの歩く姿をテレビで見たことがあるのではないでしょうか?

アトムの子供たち

日本が最先端のロボット技術を持っている一番大きな理由は、やはり『鉄腕アトム』でしょう。今のロボット研究者たちは、ちょうどアトムを子供時代に見て育った世代なんですね。

また、宗教的なタブーがなかったということもあります。キリスト教では「生命を作り出せるのは神のみ」という考えがあるため、人間型をしたロボットの研究に対して激しく反対する人々がいるのです。これはクローン研究など他の生命に関する先端科学にいつもついてまわる問題です。イスラム教など他の宗教にもこのようなタブーはあります。宗教色の薄い日本はこの点で有利なのです。

【クローン】各地で誕生が噂されるクローン人間の問題点3つ
(マモーに、君はクローンかオリジナルかと問われて) ルパン3世:「バカヤロー! オレはオレだ!(『影の肖像』北川 歩実 より)

2足歩行へのこだわり

でもどうして科学者はそれほど2足歩行するヒューマノイドロボットにこだわるのでしょう? 歩行用の足よりも車輪の方が早く移動できるし、重心移動の複雑な計算もしなくてすむのに。

それはロボットの目的が昔と今では違うからです。「ロボット」という言葉はもともとチェコ語のrobotaからきています。これは「苦役」とか「労働」を表す言葉です。今までのロボット研究は人間の代わりに「労働」をしてくれるロボットを作ろうとしていました。

しかし今では、人間と共に暮らし、楽しさや癒しを与えるロボット、また時には人間が愛情をそそげる対象としてのロボットが求められるようになってきたのです。

ロボットはルックス重視?

その場合人間というものはどうしても、機械機械したような四角いロボットよりも、動物型や人間型のロボットに親近感を抱きます。最初ホンダのP2、P3はかなり大きかったために、それほど人気はありませんでした。普通の人間よりもごついと不気味な感じがしてしまうんですね。

一方ASIMOは小学生の身長ぐらいです。ゆっくりぎこちなく歩く様が、なんとも愛らしく見えます。性能的に同じでも人間世界で生きる場合は、ロボットの外見は非常に重要なのですね。

効率よく学ぶための知恵

また人工知能からのアプローチもあります。例えばもし私たちが脳だけの存在で、目、耳、鼻などの感覚器もなく、体もなかったらどうやって知識を得たり、技術を習得するというのでしょう。言葉を覚えるのも、走ったり、自転車に乗ったりするのも、何かを学習するのにも、体があるからこそ効率よく習得できるのです。

ロボットも人間型の体を持たせることで、知能を効率よく発達させることができるのはないか──というのが最近のロボット工学の考えなのです。特に家庭用のロボットの場合、人間の生活空間に合わせた体を持つことで、ロボットが人間の生活に歩み寄ることができるんですね。

アトム、お誕生日おめでとう!

来年2003年の4月7日は記念すべき鉄腕アトムの誕生日です。それまでには間に合いそうもないけれど、50年以内には今の携帯並に、1人に1台(1人かな?)のロボットが当たり前になっているかもしれませんね。

参考文献

『夏への扉』ロバート・A・ハインライン

もう何度この傑作を読んだことでしょう。SFとして傑作というだけでなく、未来への夢と希望が詰まった青春小説でもあります。ここに出てくるロボットたち、早く登場してくれないかしら。

卓上「先行者」開発企画ペーパークラフトで作る先行者。

このブログは2001年07月23日開設のサイト「幻想画廊」を2019年にWordpressで移築したものです。この記事は17年前の、2002年04月30日(火)に書かれました。文章の内容を変えずにそのまま転載してあります。リンク切れなど不備もありますが、どうぞご了承くださいませ。

元サイト「幻想画廊」はこちらです。

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